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奈良には観光客が多い。

私が降車するのは近鉄奈良駅。あと2つ先である。しばらくすると私の頭の中にふとある心配事が浮かんだ。

「もし、この2人が、近鉄奈良駅で降りなかったらどうしよう」

いや、別にそんなことは考えなくていいのだが、その二人は私以上にどっかりと腰掛けており、私「だけ」が降車しようとすると、おそらくなんらかの声かけが必要となってくるわけである。

しばし悩んだ。

ここはさりげなく手刀を切って、「すんません」と降りるのか、わりかし流暢に「excuse me」というのか。ここが日本人の応用力のなさなのか。もっと深く英語を学ばなかったことを悔やんだが、間も無く近鉄奈良駅である。

さぁ、ついた。この駅では結構の人がおりる。私も降りようとしたところ、その外国人が慌て出し、私に話しかけてきた。

えー、ここで?と思ったが、何と、聞き取れたのである!
「train station?」と言っているではないか!

なんや、ここで降りるんかー、あまりなやまんでよかったな。と思い、ひたすらYes!
を連呼。無事降車することができた。

その後ろから外国人が降りようとしていたその時、運転手さんが一言。「JRちゃいますよ。」と。

そうか、この人たちはJR奈良駅でおりたかったのか。確かにトレインステーション(もうカタカナになっている)やけど。。。

と、非常に後味悪く、私は近鉄の駅に向かった。

その4名が、本国に帰り、日本人に嘘をつかれた。日本人はウソつきだ。などと言わないだろうか。
もしその4名がとある外国のお偉いさんで、日本との国交を断ち切ってしまったら。

などしょうもないことを思いながら近鉄電車にのりこんだ。